お客さまに喜ばれるカスタマーサポートのメール返信の3つのコツ

お客さまに喜ばれるカスタマーサポートのメール返信の3つのコツ

カスタマーサポートの仕事のひとつ、メール返信。

最初はどのように返信したらいいかわからなかったり、何度もラリーが続いてしまって結果としてお客さまをお待たせしてしまう事態が発生します。

本記事では、筆者がカスタマーサポート部門の実務と運営の中で研究に研究を重ねた、「お客さまに喜ばれるメール返信の仕方」についてご紹介します。

ぜひご自身の部門の運営にお役立てください。

お客さまにご満足いただけるメール返信の3つのコツ

カスタマーサポートがメールを返信する際に、お客さまに喜ばれるようになる3つのコツは以下です。

  • 10分以内に返信すること
  • 簡潔に結論から記載すること
  • お客さまの潜在的なニーズを満たすこと

カスタマーサポートはメールを10分以内に返信しよう

お客さまの問い合わせに対し、10分以内に返信することがお客さまに喜ばれるコツです。

これは筆者や自社のカスタマーサポートが対応したお客さまのうち、10分以内にメール返信を行って問題が解決した99%のお客さまの評価が最高値だったためです。

お客さまの問い合わせは、お客さま自身に「何か解決したいことがあって問い合わせをしている」状態のため、解決までの時間が短ければ短いほどよいでしょう。

りぴとん
りぴとん

カスタマーサポートにとって早さは非常に重要な要素です。問い合わせが来たら、最速で返信することを心がけましょう。

メールは簡潔に。そして結論から記載しよう

メールの文面は、必ず結論が先に来るように構成するようにしましょう。

結論を導くための理由や状況が前段に書いてあると、問い合わせをしたお客さま側の印象として「言い訳のように見えて読みたくなくなる」と思わせてしまうからです。

りぴとん
りぴとん

実際に筆者はお客さまからそのようなお声をいただきました。

たとえば、通信販売の商品の発送状況に関する問い合わせがお客さまから入った際の文章について記載してみます。

メールを簡潔に、結論から記載する文章例

お客さまの問い合わせ内容

●●は発送されていますか?

よい例

●●は昨日発送いたしました。

よくない例

●●は在庫が僅少であり、ご注文をいただいた日に取り寄せの連絡をいたしましたが、やっと昨日届いたため、昨日早速発送させていただきました。

こうやって冷静に比較すると、上の文章の方が簡潔でよいと思う人が多いと思います。ですが、現場では割と無意識に下の文章のように前半部分に理由を持ってきがちです。

りぴとん
りぴとん

結論→理由の順番で、いかに短い言葉でわかりやすく表現できるかを追求しましょう。

お客さまの潜在的なニーズを満たすことを心がけよう

問い合わせの奥にあるお客さまのニーズに答えるように内容を追加すると、お客さまに喜ばれる可能性が非常に高くなります。

お客さまの問い合わせ返答に対する期待値を超えることができるからです。

最低限、お客さまが問い合わせのメール返信に期待していることは、「明確かつ迅速な回答」です。これを満たすことができれば及第点となります。

その回答に付加価値をつけることができれば、お客さまの期待以上の回答をすることができるので、喜ばれるというわけです。

先ほどの商品発送の例でご説明します。

メールを簡潔に、結論から記載する文章例

お客さまの問い合わせ内容

●●は発送されていますか?

よい例

●●は昨日発送いたしました。

到着予定日は●日でございます。

※運送会社:△△ 追跡番号:1111-2222

よくない例

●●は昨日発送いたしました。

お客さまの潜在的なニーズを予想するには、「なぜこの問い合わせをしてきたのか?」と考えることが効果的です。

たとえば発送したかどうかお客さまが確認したい理由は、おそらく「いつ来るのか知りたいから」でしょう。到着予定日をメール文面に添えることで、お客さまは自分で到着予定日を計算する必要がなくなります。その結果、お客さまに喜ばれるのです。

問い合わせの内容を見て、問い合わせの内容にだけ回答するのではなく「なぜそれを知りたいのか」と熟考することが、お客さま満足には必要不可欠です。

定型文の作成手順

迅速かつ簡潔にメール返信をするために最も効率的なのは、返信用の定型文を作成することです。

りぴとん
りぴとん

チャットボットやFAQなどの「問い合わせをそもそも減らす」仕組みづくりは置いといて、です。

効率的に定型文を作成するためには、以下の手順を参考にしてください。

  1. 問い合わせ内容をリストに集約
  2. リストをもとにテキストマイニングを実施
  3. ボリュームが多く関連性の高いキーワードをもとによくある質問を10個まとめる
  4. 10個の質問に対する返信用文章を作成する
りぴとん
りぴとん

要するに、時間と資源は限られているので闇雲に作成するのではなく、頻度の高い問い合わせから順番に作成していきましょう、ってことです。

テキストマイニングとは、文章の中にある言葉を個数順にして調べたり、関連のある言葉を見つけたりする分析方法です。問い合わせの内容の傾向やボリュームを分析するのに向いています。

以下ウィキペディアから引用します。

テキストマイニング(英: text mining)は、文字列を対象としたデータマイニングのことである。通常の文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出す、テキストデータの分析方法である。

出典:Wikipedia

カスタマーサポートのメール返信効率化のために定型文を作成しようとしても

???

どんな内容の定型文を作成したらいいかわからない

???

どこから手をつけたらいいかわからない

と思われるかもしれません。

りぴとん
りぴとん

上記の流れで、ムダなく効率よく定型文作成にチャレンジしてください。

返信後にさらに問い合わせが来た場合はチャンス

お客さまからの問い合わせにメールで返信した後、さらに別の質問をメールでもらえた場合は、ある意味でチャンスです。

別の質問から、お客さまの潜在的なニーズを探ることができるからです。

たとえば、商品の機能について問い合わせがあったとします。

お客さまの問い合わせ内容

商品の機能について教えてください。

カスタマーサポートの回答

商品の特徴的な機能は以下の3つです。

AAAA

BBBB

CCCC

お客さまからの返信内容

競合の**と比べて違うところを教えてください。

りぴとん
りぴとん

この場合、お客さまは単純に商品の機能を知りたいのではなく、他社の商品と比べるために情報を欲しがっていることがわかります。

潜在的なニーズがあることがわかれば、次から他社商品と機能を比較した表をメールに入れてみるだけで、「気の利いたカスタマーサポート」になれます。

短期的にみると、お客さまとのラリー(メールのやりとりが続くこと)は対応時間を引き伸ばすだけなので望ましくありません。ただ、長期的にみるとお客さまの潜在的なニーズを知ることができる絶好の機会ともなります。

カスタマーサポートのメール返信内容の精度が上がっていくため、ラリーが発生したお客さまとのやりとりこそ、注意深くウォッチすることをオススメします。

さいごに

お客さまに喜ばれるカスタマーサポートのメール返信のコツについてご紹介しました。

途中にも記載しましたが、チャットボットやFAQを充実させたり、そもそも疑問点が発生しないようなUI/UX改善を行うなど、仕組みで問い合わせを減らすこともできます。

ただ、とはいえ人と人とのやりとりはどこまで時代が進んでも残り続けるようにも思いますので、今回記載したコツがカスタマーサポートの人のお役に立てればうれしいです。

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