管理職になると会議を”開く”側になることが多いですよね。開く側に回ると、一度はこんなことを思うことがあるかもしれません。
- 時間内に終わらせるのって難しいな
- 参加しているのに全然意見言わないな
- 建設的な意見じゃなくて文句しか言わないな
逆に会議に参加”させられる”側だった頃を振り返ると、「段取りが悪い」「この会議は時間のムダだな」など思っていた自分もいます。
会議って、開く側も参加させられる側もネガティブな思いを持って臨むことが多いのですが、完全になくなることってないですよね。
どうせやらなきゃいけないものなら、できるだけ効率よく終わらせたいものです。
そこで、本記事では会議を開く側の人が時間内にムダなく会議を終わらせるための準備について、会議の種類別にご紹介します。
ぜひ今後のビジネスにお役立てください。
目次
会議を設定する前に行うべき準備
会議を効率的に進めるための準備は何をしたらいいですか?
簡単にいうと、会議をイメージすることと環境を整えることです。
会議を効率よく進めるための準備は、大まかに分けて2つです。
- 会議をデザインすること
- 話しやすい環境づくりをすること
どんな会議であれ、何のために会議を行い、どのように進め、限られた時間で何を成し遂げたいのかというイメージが、会議を”開く”側にはあるはずです。
それらを明確にして、事前に参加者に共有することで、限りなくスムーズに会議を進めることが可能となります。
また、自分以外の誰かを会議に参加させる以上、参加者には「発言すること」を望んでいるはずです。
参加者がストレスなく自分の意見を言えるような環境を準備することも、会議の準備として重要です。
開く会議の種類によって変わる準備
会議のデザイン……つまりどういうことをしたらいいでしょうか?
具体的にすべきことを一覧表にしてまとめてみました。
会議のデザインと、話しやすい環境づくりは開く会議の種類によってすべき準備が変わります。以下はその一覧表です。
会議種類\準備 | 目的の決定 | 目標の決定 | 過程の決定 | ルールの決定 | 参加者の決定 | 机のレイアウト | アイスブレイク |
---|---|---|---|---|---|---|---|
報告をするための会議 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
指示や命令をするための会議 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
意思決定をするための会議 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
アイデアを出すための会議 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
問題を解決するための会議 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
まずは準備しようとしている会議がどのタイプのものかを選び、それにあった準備を行いましょう。
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会議は大まかに5種類に分かれる
一覧表でご紹介している会議について、具体例などをご紹介していきます。
主に部下が上司に対して、それぞれの仕事の進捗状況を報告するために設けられる会議です。
定例会議のような名前がつく会議は大体この形態ではないかと思います。
報告するためだけの会議であれば、メールや資料だけで足りるじゃないかと多くの人が思うため、敬遠されがちな会議ですね。
先ほどの報告をするための会議とは逆に、上司が部下に対して「こうしなさい」と指示をするための会議です。
大抵は 指示→背景や理由の説明→補足→質疑応答 の流れで進んでいくことが多いです。
こちらは議論するものがそれほどないため、一番時間がかからない会議形態となるでしょう。
これは管理者もしくは参加者全員が今後の施策について合意するために行う会議です。
たとえば、翌月の営業目標達成のために組織として活動方針を決める会議がこれにあたります。
そのままですが、アイデアをたくさん出すための会議です。
商品をどう企画するかとか、どんな広告を出そうかなんてアイデアをひたすら出し合う会議です。
きっと多くの人が想像的な話だけを話すストレスのないこの会議形態が一番好きなんじゃないかと私は勝手に思っています。
組織もしくは個人で発生した問題に対し、原因を見つけ出してその解決を行うための会議です。
意思決定をするための会議と似ているようですが、こちらは原因の深堀から始めなければならないため、意思決定の会議よりもボリュームがあると思います。
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会議をスムーズに進める7つの準備
次に、一覧表に記載している会議準備の詳細をご紹介します。
会議のデザイン|1. 目的の決定
対象となる会議種類:報告 指示命令 意思決定 アイデア 問題解決
会議を「何のために行うのか」ということを決め、事前に参加者に共有することです。
これがなければ、参加者は何を準備していいか分からないだけではなく、会議の目的すら不透明であることが参加者の「蚊帳の外」感を増幅させ”参加させられている”という意識が強くなってしまうからです。
その結果、会議が始まって「●●について議論しよう」と説明されたときに、参加者は十分な情報収集ができておらず、議論が深まらないどころか、いたずらに時間を浪費してしまいます。
必ず「何のために時間を使って会議するのか」は明確にするようにしましょう。
会議のデザイン|2. 目標の決定
対象となる会議種類:意思決定 問題解決
「何のために会議を行うのか」という目的をもう少しブレイクダウンした目標、つまりこの会議が終わったときにどういう状態になっていたいか、ということを事前に共有することです。
たとえば、会議の目的が「今月の営業成績向上について」であれば、目的は「全員が明確なアクションプランを持った状態」などになります。
会議が終わった瞬間に「今月の営業成績の向上」が実現できるわけではありませんので、目的を達成するために、「で、どうすんの?」を具体的にしたものが目標となります。
これが全員一致で明確になっていると、時間内に答えを出そうとしますので、無駄に会議時間が伸びることはありません。
会議のデザイン|3. 過程の決定
対象となる会議種類:報告 指示命令 意思決定 問題解決
どんな手順で会議を進行するかもあらかじめ決めておきましょう。要するにスケジュールですね。
たとえば以下のような表を作っておくことで、会議中の全員の迷いをなくし、時間内に完結するという意識も高まります。
時間 | 内容 |
---|---|
10:00-10:10 | 先月までの営業成績の発表 |
10:10-10:20 | 課題の検討と集中すべき課題の選択 |
10:20-10:30 | アクションプラン検討 |
10:30-10:40 | 納期や進捗確認者、振り返り方法等決定 |
会議のデザイン|4. ルールの決定
対象となる会議種類:報告 指示命令 意思決定 アイデア 問題解決
会議をスムーズに行うためにルールを設けるようにしましょう。
全ての会議で導入できるルール例は以下です。
- 会議中はPC、スマホを閲覧しない
- 発言は指名をされてから(人の発言を遮らない)
- スケジュールに記載されている時間を守る
他にも、アイデアを出すための会議では「相手の意見を否定しない」というルールが追加されることが多いですね。
会議中に「話聞いてんのか!」とかって注意したりされたりするシーンを見かけたことがあると思います。
この注意の時間って注意されていない人からしたら最も不要な時間なので、それを元から防ぐために「会議中のスマホ確認はしないこと」などあらかじめルールを決めておきましょう。そうすると、全員が会議に集中することができるようになります。
会議のデザイン|5. 参加者の決定
対象となる会議種類:報告 指示命令 意思決定 アイデア 問題解決
参加する人を誰にするか決めることは、会議の目的達成のために非常に重要です。
意思決定や問題解決のための会議であれば、そのために建設的な意見を出してくれそうな人を呼ぶようにします。
「とりあえず全員呼んどくか」みたいに10人以上呼ぶようなことはやめましょう。
意思決定や問題解決の会議は少人数、8人以下で実施すると全員が参加しやすくなり、議論も活発になります。
逆に参加人数が多すぎると、「自分くらい発言しなくても大丈夫か」と内職を始めてしまう人が出ますので、そうなると参加するだけコストです。
しっかり最適な人員を選ぶようにしましょう。
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話しやすい環境づくり|1. 机のレイアウト
対象となる会議種類: 意思決定 アイデア 問題解決
特に意識されたことはないかもしれませんが、会議時の机の配置ひとつで実は意見が出やすくすることが可能です。
机の配置は、ぜひ「島」になるように配置しましょう。
会議の机によくある配置が、ドラマでもよく見る「コの字」や「ロの字」に机を配置するタイプです。
向かい合って話ができるので一見良さそうですが、実は机同士の空間が見えない壁となって、意見を言いづらくなります。
対して「島」の形で配置すると、相手との距離が近くなって気軽に意見が言えるようになります。
ちょっと狭くなってしまいますが、全員が意見を出せるようになりますので、ぜひ一度試してみてください。
話しやすい環境づくり|2. アイスブレイク
対象となる会議種類: 意思決定 アイデア 問題解決
アイスブレイクとは、会議に先立ち全員の緊張をほぐすために会議とはあまり関係のないことを話す時間です。
最近あったことや、昨日何していたかなど、テーマはなんでも結構です。
大切なのは一度全員が話をすることです。
これをするだけで、発言することのプレッシャーが少なくなるため、参加者の発言を促しやすくなります。
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リアルかオンラインかで準備は変わる?
新型コロナウイルスの影響により、集合型の会議の見直しが急速に進んでいます。
今までリアルで行っていた会議をオンラインに移行するために、会議準備の種類が変わることはほとんどありません。
ぶっちゃけた話、机のレイアウトをするかしないかくらいです。
ただし、会議を円滑に進めるための準備とは別の話ですが、オンライン会議・商談では今後身だしなみ、つまり「映り方」を気をつけていった方が良さそうです。
画面越しの自分の印象をよくするためには以下の準備を行いましょう。
- ライトを購入する
- PC(カメラ)を上部にあげる
- 背景を作成する
- マイクテストを実施する
オンライン会議・商談で自分の映り方に気をつける理由は、画面の映り方”のみ”で相手がこちらに抱く印象が変わるからです。
リアルの営業の場ではスーツをしっかり着たり、名刺交換を失礼なくこなすなどのたくさんのマナーがあります。
そして、それを新入社員に指導・指摘をするのは外見で印象が決まり、だらしない外見で相手の印象を悪くしてはうまくいく商談もうまくいかなくなる可能性があることを上司は知っているからです。
それと同じで、映り方で相手の印象も変わるため、今後は画面上の”映り方”を気をつけて行くのがスタンダードになっていくことでしょう。
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ライトはYoutuberが使うものだったのはコロナ前までです。オンライン会議・商談が主流になってくると、ビジネスマンの必須アイテムとなります。
このライトはUSB接続で使用可能なため、PCに繋げるだけでOKな手軽さがあります。
画像のライトはヨドバシカメラのウェブサイトで簡単に入手できます。
デスクでノートPCを開いてインカメラを起動させると、下から顔を見上げるような目線となって顔が暗くなってしまいます。
そのため、PCスタンドを使用してカメラを上部にあげるようにしましょう。
備え付けの画像を背景に使用するのではなく、自分で作成した背景を活用するようにすれば、オンライン会議・商談の場のために「きちんと準備している感」を演出することができます。
背景を作成したり、探したりするのが面倒な場合は、サンプルを準備していますので活用してください。
会議や商談が始まってから「あ、ちょっと聞こえづらいですね」と言われないために、開始前にマイクテストを行いましょう。
Zoomで音量調整をするための方法は以下です。
さいごに
無駄のある会議を効率化するための準備について記載しました。
準備に時間がかかって大変だと思うかもしれませんね。
ただ、会議における最高の結果は、参加者全員の時間を使わずににゴールにたどり着くことです。
会議をするために人を集めているため、時間をかければそれだけひたすら人件費を浪費するだけのコストになります。
準備をしっかりと行い、最少の時間でゴールにたどり着けるような会議を目指しましょう。
準備に勝る成果なし、ですね!