管理職をしている人は、なぜだか毎日忙しいです。
- 上司への報告
- 部下からの相談
- 突発的に発生した対応
- 目標に対する進捗度の確認
- 部署の今後の方向性の決定
- 定例業務
書ききれないくらいたくさんのことを毎日こなしています。その中で、どうしても「やらないといけないこと」に追われ、「やったほうがいいこと」に手をつけるのが難しいです。
そこで、本記事では筆者が管理職をしている中で「やったほうがいいこと」に手をつけるために、「やらなければならないこと」をRPAで自動化した事例をご紹介します。
目次
4つの管理職業務の自動化の例とその効果
筆者が、毎日の業務のうちRPAを使って自動化をした実例をご紹介します。
- 承認、確認などの定例業務
- 毎日の自部門の数値報告
- 納期が近づいた仕事の進捗確認
- 目標対比の数値集計と乖離の測定
これらを自動化することで、以下のように変わりました。
全部で1週間のうち10時間30分かかっていました。。
全作業を0分! つまりノータッチ!
なんと1週間で10時間30分も生み出せたことになります。ぜひ参考にしてください。
承認、確認などの定例業務
作業時間は1日約1時間〜2時間。
作業時間は0分!!
個人的にはこれが最高の時間短縮となりました。
毎日50〜100件のワークフロー承認依頼リストをもとに、全件社内システムでチェックと承認をする作業を手動で行っていました。Excelとウェブページを行き来しては承認を押し続け、不備があったら返却する作業を以下ツールを使用して自動化することができました。
現在はボタンを1つ押すだけで全件自動で承認してくれます。
また、「不備があったら返却」などの条件によって分岐させる動きも対応が可能なため、さも人がチェックしているかのように動かすことが可能です。
ウェブページを見て内容をチェックする必要があったので、筆者がもともと得意だったExcelの数式は一切通用せず、ひたすら手作業で対応していたのですが、まったく手を触れずとも作業が終了している画面を初めて見たときは喜びに震えていました(同じ作業をしている人がいないのでだれとも分かち合えないけど)。
Ui Pathを活用した定例業務の自動化の方法は以下記事でまとめています。
毎日の自部門の数値報告
作業時間は1日約30分。
作業時間は0分!!
筆者は営業部門の所属だったため、毎日部門の営業目標に対してどのくらいの進捗があったかを報告する必要がありました。
これを以下のツールを活用して自動化を行いました。
Googleスプレッドシートで集計を手作業ではなくクラウド上で自動で行い、Google App Scriptを活用して自動でチャットワークに投稿(報告)する、という流れを組みました。
そうすると、毎日決まった時間に数値に誤りがない状態で忘れずに報告することができます。
当の筆者は、その時間はまったく別のことをしていてもです。
詳細の組み方は、以下の記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。
納期が近づいた仕事の進捗確認
作業時間は1週間で30分。そして忘れる確率が20%。。
作業時間は0分!! 忘れない確率100%!!
部下の仕事の進捗を確認する作業も、先ほどの数値報告と同様に以下のツールを使用して自動化に成功しました。
「漏れなく確実に進捗確認ができる管理職」の名誉を欲しいままにすることができます。
管理職をしていると、部下に依頼している仕事の進捗状況を確認する必要があります。これを自動化せずに行うと、以下のような弊害が発生し、進捗確認と実際の進捗が滞ります。
- どの部下に何を依頼していたか定かではなくなる
- 納期がそれぞれ違うので、管理が煩雑になる
- 管理職が直前まで進捗確認することを覚えていても、突発的な業務が発生すれば優先順位を下げる
この進捗確認も、「決まったタイミングで」「必要な相手に」連絡することを自動化しておけば、先述の弊害は発生しません。自動化方法の詳細は以下記事にまとめています。
目標対比の数値集計と乖離の測定
作業時間は1日約30分。
作業時間は0分!!
営業部門の目標対比の数値集計だけでなく、異常値が発生した場合に該当の部下に対策を確認する動きなんかも自動化することが可能です。
筆者は以下のツールで実現しました。
要するに、スプレッドシートとGASとチャットワークがあればなんでもできる、ってことです!
日々の数値を見て異常値を発見するプロセスは、たとえば以下のようなものです。
「●●の数値が平均より低い」
↓
「●●の数値が平均より低い理由は▲▲の行動回数が少ないためだ」
↓
「▲▲の行動回数が減っていることの対策を確認」
要するに、「もし〜〜だったら」「〜〜する」の繰り返しであり、これはすべてGoogleスプレッドシート(またはExcelやNumbers)の数式で実現ができます。
条件が決まっているなら、人がわざわざ判断する必要はないということです。
そのチェックを数式を使って自動化し、対象の相手に連絡することをGoogle App Scriptとチャットワークを使って自動化します。
数式さえ扱えればたいていのことができますので、Googleスプレッドシートを使用するうえで特に使えた方がいいものを別記事でまとめています。
自動化できそうな業務の条件
管理職の業務の中で、先述の4つのアイデアと同様に自動化できそうな業務には、以下の共通点があります。
- 毎日発生する
- 同じ手順を辿る
- 画像や動画から何か読み取らない
この3つを満たす業務であれば、比較的簡単にテクノロジーの力で自動化することが可能です。ぜひご自身の業務内容の中に上記のような作業がないか見直してみてください。
また、自動化する業務を検討する際には、条件によって行動が分岐するような場合も漏れなくダブりなく(MECE)網羅できている状態である必要があります。
条件分岐の際にAかBだけだと思っていて設定したとしても、実は設定時に想定できていなかったCが発生すると、そこで自動の作業が止まってしまうからです。
ビジネスマンにとって大切なロジカルシンキングを鍛える非常にいい機会となるので、そういう意味でも取り組んでみるとおもしろいですよ。
さいごに
さまざまな作業を自動化することは、毎日忙しい管理職の業務量を少しでも減らせるのではないかと思っています。また、日々面倒だなと思っていた業務も手を離すことで、自分の時間を手に入れることが可能になります。
時間が生まれると自分の人生が輝き始めたような気分になりますよ!