税金を抑える手段として2008年に始まったふるさと納税。
導入されて結構経ちますが、国の制度って本当に得なのかわかりづらいので「名前だけ知ってる」という人が多いのではないでしょうか。
なんとなく節税になるっぽいよ?
みたいな噂を聞いて調べてみたけどよくわからん!
という会社員の人向けにふるさと納税は果たしてお得なのか? を解説します。
あ、ちなみに私FPの資格持ってます(≧∀≦)
目次
ふるさと納税はお得なのか!?
ふるさと納税ってやったら得になるんですか??
結論からいうと、ふるさと納税は金銭的には得になりません。
未来に払う予定の税金を今のうちに払っておくという制度だからです。
ふるさと納税は節税になるという言葉をあちこちで見かけるので、誤解する人も多いと思いますが、決して節税にはなりません。
1万円を寄付して1万5,000円税金が抑えられるようなステキな制度ではないのです。
じゃあなんで「ふるさと納税は節税になる!」っていわれているのでしょうか??
それは、ふるさと納税で寄付した金額に応じて住民税が抑えられているように”見える”だけだからです。
ふるさと納税の仕組み
会社員の目線でふるさと納税制度を簡単に説明すると以下の図のようになります。
来年給料から天引きされる予定の税金を先に払っておくことによって、来年支払う税金の金額を減らす。
たったこれだけの仕組みなんです!
ふるさと納税をするかしないかの差は、今税金を払うか、あとで税金を払うかというタイミングの違いでしかありませんので、ふるさと納税によって金銭的に得することはないのです。
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自己負担が最低でも2,000円発生する
ふるさと納税は最低でも2,000円の自己負担が発生します。
そのため、寄付した金額がそのまま来年の税金に反映されるのではなく、2,000円を引いた分が反映されます。
数字を使ってご説明します!!
来年払う予定の税金が10万円だったとして、今年のうちに1万円をふるさと納税として寄付したとします。
そうすると、来年になったときに地方自治体があなたの税金の金額を計算するときに次のようなことが起こります。
お、この人は昨年別のところで1万円払っているから、
そこから2,000円を引いた8,000円を10万円から引いて……
つまり、9万2,000円しか請求できないな。
つまり、通常であれば税金として、額面の給料から10万円天引きされるところを、先に1万円を支払っているので、そこから2,000円を引いた分が考慮され残りの9万2,000円だけ請求されるということです。
それを踏まえて、ふるさと納税をした場合とそうでない場合での、納税額を整理してみます。
となるため、ふるさと納税をした場合の方が納税額は多いのです。
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寄付金額に応じて返礼品を受け取ることができる
上記の計算の結果だけを見れば、ふるさと納税は税金を多めに払うだけの制度になるためメリットがありません。
それを補うメリットとして設定されているのが、各地の返礼品です。
返礼品とは、いわゆるお礼の品で、寄付金額や地方自治体に応じてさまざまなものが準備されています。
代表的なものでは肉や果物、米などが寄付金額に応じて準備されています。
そして、この返礼品は寄付金額の3割程度の価値のものになるように設定されます。
つまり、数字に直して計算すると、1万円寄付したら3,000円相当の返礼品を受け取れるということです。
返礼品を踏まえてどっちが得かを改めて整理します。
つまり、税金的に見ればふるさと納税をする場合の方が納税金額が多いですが、2,000円払って3,000円分の何かを受け取れるというメリットもあります。
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結局ふるさと納税はした方がいいのか?
いろいろ計算して税金が安くならないことは分かったんですけど、結局ふるさと納税はした方がいいの?
税金を抑えられることはありませんが、「安い価格でほかの地域の名産品を手に入れることができる」ことにメリットを見出せる人はふるさと納税をした方がいいでしょう。
逆に、ただ節税をしたいということでふるさと納税を検討している人は、ふるさと納税はなんの効果もないのでやめた方がいいでしょう。
私もお肉とか果物とかがもらえるふるさと納税をやってみましたが、家庭があるのでおいしく名産品をいただけました。
ですが、一人暮らしのときに米5kgをもらったとしても、そもそも自炊がめんどくさいので絶対に無駄にしていたでしょう。
単純に節税をしたいのであれば、iDeCoを活用した方がよっぽど節税することができます。
iDeCoについては本記事の最後で解説します。
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ふるさと納税を行う方法
実は自炊もするので、返礼品使えそう! そしたら、ふるさと納税ってどうやってやったらいいんですか?
実際にふるさと納税を行うステップは以下の4つです。
ふるさと納税は直接自治体に寄付するのではなく、仲介してくれるサイトがたくさんあります。
ポータルサイトなら見やすく寄付先である自治体が整理されているため、好きな自治体を選びましょう。
一応会員登録しなくてもできます。複数回行う場合は、毎回自分の情報を入力するのも手間なのでオススメ。
クレジットカードなどでお金を支払いましょう。寄付完了!
ふるさと納税ポータルサイトにアクセス
まずはふるさと納税を行えるサイトにアクセスしましょう。
個人的にはふるさとチョイスがオススメです。
オススメな理由は下記です。
- サイトが見やすい
- お礼の品掲載数No.1
ぶっちゃけ、どこのサイトを選んでも手数料は発生しないため、好みで選んでもOKです。
好きな自治体、寄付金額、お礼の品を選ぶ
ふるさと納税を行う自治体を寄付金額やお礼の品によって選びましょう。
ネットショッピングを行う感覚で自治体を選ぶことができます。
会員登録する
納税をするためには住所や氏名が必須になりますので、何度も入力する必要がなくなるよう、会員登録を行いましょう。
決済する
最後に決済して完了になります。
振り込みなども選べますが、クレジットカードだとすぐに決済することができるのでオススメです。
特に年末など、駆け込みでふるさと納税をしたいときだと、振り込みの場合は振込票が届くまで時間がかかるので間に合わない可能性がありますが、クレジットカードだとその場で完了するので、ギリギリ間に合わせることが可能となります。
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ふるさと納税よりも有利な節税手段
ふるさと納税以外にも税金を抑えられる方法って何かないかな〜
とりあえず「iDeCo」からスタートしましょう!
ふるさと納税よりもお得に節税できる方法がiDeCoです。
iDeCoとは、毎月定額を積み立てて、自分もしくはだれかが運用していって資産形成を助けてくれる制度ですが、毎月の掛け金を使って節税をすることができます。
毎月の掛け金を所得控除として計上することができるからです。
ややこしい仕組みの話は除外しますが、毎月給料から2万円を別口座に貯金していくのをイメージしてください。普通はお金の場所を給与口座から別口座に移しているだけなので、何ら節税の効果を得られません。
ただ、別口座に貯金するだけで、移した金額の最低15%の税金を抑えられるのがiDeCoです。
ふるさと納税みたいにお金を使って来年の税金を抑えるのではなく、お金の場所を変えるだけで来年の税金を抑えることができますので、金銭的な節税手段としてはこちらの方が圧倒的にお得です。
年間10万円をiDeCoに投資する、つまり10万円を別の口座に移すだけで、最低1万5,000円税金を抑えられるので、負担ゼロで節税することができます。
節税手段を探している場合はこちらの制度を活用することを私はオススメします。
元本割れリスクや、途中引き出しができないことにご注意ください!
まとめ
ふるさと納税は節税手段としてはメリットがありませんが、安く地方の名産品を手に入れるための手段としては魅力的です。
各地の肉や海産物などをお得に入手したいときはぜひ活用しましょう。
逆に、節税手段としてはふるさと納税よりもiDeCoの方が魅力的です。
節税をしてお金に余裕を持たせたいのか、各地のおいしいものを食べたいのかなど、目的によって使い分けるようにしましょう。