有給が取りづらいと感じる管理職の人へ。準備に勝る成果なし。

有給が取りづらいと感じる管理職の人へ。準備に勝る成果なし。

???

有給休暇って、管理職になったら余計に取りにくいですよね〜。

りぴとん
りぴとん

分かる〜〜〜〜!!

筆者も感じていますが、管理職をしている人はなかなか有給休暇を取りづらいのではないでしょうか?

理由はたくさんあると思いますが、そんな忙しい管理職だからこそ有給休暇は積極的に取得すべきです! だって、管理職でない人と比べて、断然たくさんの仕事をこなしているはずですからね!

本記事では、管理職が有給休暇を取得して不在となっても、周囲の仕事に支障をきたさないための準備方法を記載します!

次に有給休暇を取得するときの参考にしてください!

管理職が有給を取っても仕事に支障をきたさないための準備

???

管理職の人が有給休暇を取得しやすくするために、やるべきことって何でしょうか?

りぴとん
りぴとん

管理職の人が有給休暇を取得しても、周囲の仕事に影響が出ないようにするための準備は以下の4つです。

管理職が有給休暇に突入する前に行うべき準備
  • 前日に自分と全体の予定を確認
  • 自分のルーティンワークを洗い出して、誰かに依頼する
  • 万が一のアクシデントのケース例と相談先を部下に示し、相談先にも根回ししておく
  • 「失敗はつきもの」という心構えをする

管理職が有給休暇を取得しても、お客さまや取引先にとっては関係がありません。ドイツなどの有給休暇取得に理解のある国とは違って、日本は「お客さまは神様」という言葉が広く浸透してしまっているためです。

そのため、仮に自分がいなくてもお客さまを待たせないように、仕事を回すための準備をしておく必要があるのです。

準備(1)有給取得予定日の自分と全体の予定を確認

まずは、有給を取得しようとしている日程にどんな仕事の予定がありそうかを確認しましょう。

予定を確認しなければ有給取得のためにどんな準備をしていいかも分からないので、必須事項です。

もし有給取得予定日としてどうしても自分に予定が入っている日を選ばないといけないのなら、予定自体をリスケするか、代役を立てるなどしておきましょう。

りぴとん
りぴとん

当たり前ですが、自分に予定の入っていない日を有給として設定すれば、予定確認などする必要もありません。その方が楽なのでオススメです。

また、自分の予定だけではなく全体(主に部下)の予定も合わせて確認するようにしましょう。

部下の予定を確認しておくことは、当日の部下たちの仕事をスムーズに進めるための根回しをする上で必要なことだからです。

たとえば午前は顧客訪問、午後は会議となっているとしましょう。

顧客訪問の際に判断が必要なときの相談先、会議の後に連携が必要そうな人など、部下の次の一手を考えられますし、それが分かれば根回しをしておくことで、部下たちの仕事をスムーズに進めることができます。

Tips

有給休暇を取得しようとする日程は、できるだけ自分に予定がない日を選ぶこと。

有給休暇予定日の部下の予定も一緒に確認しておくことで、部下の仕事をスムーズに進める準備もできる。

準備(2)自分のルーティンワークを洗い出して、誰かに依頼する

有給休暇予定日の予定を確認できたら、次は自分が毎日こなしているルーティンワークを洗い出しましょう。

自分の予定のあるなしに関わらず発生する業務をどうするか考えるためです。

筆者の場合は以下の4つがルーティンワークとなります。

  1. 承認系業務
  2. 報告系業務
  3. 相談系業務
  4. 指示出し

こんな風に自分のルーティンワークを洗いだせたら、次はそのルーティンワークをどうするかを決定します。具体的には、以下の3つのうちどれかの選択をします。

  • だれかほかの人に依頼する
  • 人に依頼せずシステムでできるようにする
  • 「やらない」という選択をする

筆者の場合、だれかに依頼するのは部下からの相談を受ける相談系業務のみで、承認・報告はシステムによる自動化、指示出しは「やらない」という選択をしています。

システムによる自動化は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術を使って自分の会社用パソコンをロボットによって動かしています。筆者は「Ui Path」というツールを使っているので、興味がある方は調べてみてください。

りぴとん
りぴとん

Ui Pathは直感的に操作ができるので、カンタンでオススメです!

準備(3)万が一のアクシデントのケース例と相談先を部下に示し、相談先にも根回ししておく

ルーティンワークを整理できたら、準備(1)で行った部下の予定確認によって、想定できそうなアクシデントのケース例とその相談先を部下に示します。

部下の仕事に支障が出たときに、迅速に問題の解決を行うためです。

りぴとん
りぴとん

もし●●が起きたら、Aさんに相談してね

と事前に伝えておくことで、万が一何かアクシデントが起きたとしても、部下の仕事にも、お客さまにも、ついでに自分の有給休暇にも一切影響なく過ごすことができるでしょう。

仮に想定していたアクシデントが発生しなかったら、自分の管理者としてのリスクを想定する力を褒めましょう。準備していた策を使わずに済むことこそが最高の準備たる証です。


また、アクシデントの対応の相談先に事前に「相談がいくかもしれません」と根回ししておくことも必要です。

そうすることで、相談される相手も突然の連絡のような感じではなく、待ち構えていたように対応ができ、スムーズな問題解決が可能となります。

こちらも仮にアクシデントが発生しなかったとしても、相談先として待機してくれていたお礼を有給後に伝えることで自分の株が上がります。

Tips

アクシデントを想定し、根回しをしておくことで仕事をスムーズに回すだけではなく自分の株も上げられる。

準備に勝る成果なし。

準備(4)「失敗はつきもの」という心構えをする

有給取得に向けて、仕事がうまく回らなかったらどうしよう? 何かイレギュラーが発生して大変な事態になったらどうしよう? と思っている人に、以下の言葉を贈ります。

  • 自分の不在時に何か起きたことがきっかけで会社が潰れることなど起きません。
  • 仮に何か失敗したとしても命を落とすことはありません。
  • 失敗はつきものです。
  • 有給休暇は「サボり」ではなく「回復」です。
  • 責任感の強さを誇りましょう。会社はあなたといういい社員を持ちました。

そのため、何かミスが起きたとしても、「そうか、それは大変だったな。みんなで挽回しよう!」と話せるくらいの心の余裕を持つようにしましょう。

取りづらいけどそもそも管理職は有給休暇を取っていいの?

???

有給を取るための準備は分かったけど、でも取りづらいのは変わらないなぁ〜

りぴとん
りぴとん

ならば、法律の力を借りましょう!

冒頭にも記載したとおり、管理職の人は有給休暇って取りづらいですよね。

部下の仕事の進捗が気になったり、「うちの上司は休んでて仕事してくれない」と言われるのが嫌だったり、周囲からの相談がひっきりなしに飛んでくるので休めなかったり、なんだかんだ裏で仕事をしていたり……m(__)m

休みをとっても結局仕事をしているのなら、休みをとるだけ手間が増えると考える人もいらっしゃるかもしれません。

こんなに取りづらいのにそもそも管理職は有給休暇を取得できるのでしょうか??

結論から言うと、法律上ももちろん管理職も有給休暇を取得することが可能です。

労働基準法の記載

労働基準法には、有給休暇について以下の記載があります。

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

出典:電子政府の総合窓口 e-GOV 労働基準法

上記の2つの法律を読み解くと、下記のようになります。

要約すると

39条:使用者(会社)は労働者(従業員)に対して有給休暇を与えなければならない。

41条:監督、管理する人には39条のルールは当てはまらない。

一見すると、管理職の人は有給休暇を取得できなさそうな雰囲気なのですが、この41条の「監督、管理する人」は厚生労働省のHPで下記のような記載があります。

管理監督者の判断基準は、以下のとおり。

① 当該者の地位、職務内容、責任と権限からみて、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあること。

② 勤務態様、特に自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること。

③ 一般の従業員に比してその地位と権限にふさわしい賃金(基本給、手当、賞与)上の処遇を与えられていること。

出典:厚生労働省 「管理監督者」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性

要するに、経営者と同じ立場で社員の労働条件を決められたり自分の出勤時間を自由に決められたりするような人は、労働基準法上の「管理監督者」に当たります。

普通に考えて一般的な社内の管理職は上記のような裁量権は一切ないため、労働基準法上は「労働者」という扱いになり、有給休暇は通常どおり取得することが可能といえます。

管理職が有給休暇を取得することも、もちろん認められた権利だということがわかります。

管理職の不在が部下にもたらすもの

???

法律的に認められていると言っても、気まずいものは気まずいんだよな〜〜

りぴとん
りぴとん

実は、管理職が有給休暇を取得することで発生するメリットもあるんですよ!

管理者が有給休暇を取得することは法律上認められた権利だとわかりました。

いくら権利だったとしても管理者が不在になることによって、業務に支障をきたすため有給休暇を取りづらいと思うかもしれません。

ですが実は、管理者が不在になることによって、あなたの部下は逆に緊張感や責任感を養い、達成感を味わうことが可能となるのです!

実際に不在にしてみるとどうなったか?

これは筆者の体験談ですが、1日自分が不在となるため、部下たちに1日の仕事を任せることがありました。

そのときに限って至急案件がいくつか発生したのですが、筆者が不在のため部下たちは関係しているいろんな人に相談をして解決ができていました。

そのとき筆者は何かを指示したわけではありません。

彼らが自分たちで考えて乗り切ってくれたのです。

普段は何か起きたらすぐに相談されるため、すぐに解決できるのですが、そのときはいろいろ考えたため時間がかかったと部下たちは話していました。

困難は伴いますが、自分たちで考えて動いたほうが、ただ指示を受けるよりも一層部下たちの成長につながるということを、そのとき筆者は再認識しました。

もちろん翌日のフィードバックも忘れずに!

管理職の不在を部下の成長につなげるためには、結果に対するフィードバックが欠かせません。

人には承認欲求があるため、自分が不在の中対応してくれた部下たちの仕事ぶりを承認することが、管理職としては必要になります。

具体的には以下の3つができればOKです。

管理職が有給休暇を終えた後にすべきこと
  • 昨日の報告を受ける
  • できたことを大いに褒める
  • ミスがあったなら、その後どう挽回したか確認し、その対応を褒める
りぴとん
りぴとん

簡単ですね!

あなたが「昨日はどうだった?」と部下に確認をし、部下からの「〇〇でした。」という報告に対して、あなたが「それはよかった! ありがとう!」と返すだけです。

これができるかできないかは雲泥の差です。

人は承認された行動を継続することでもっと承認されたいという欲求があるため、このフィードバックを通して、部下の素晴らしい仕事ぶりを継続してもらいましょう。

まとめ

???

法律的にも認められているし、部下の成長にも繋がるなら、ちゃんと準備して有給取ろうかな!

りぴとん
りぴとん

ご理解いただけてよかったです!

法律で認められていても管理職には取りづらい有給休暇ですが、正しく準備をすることで、部下が成長できる最高のチャンスとなります。

むしろ積極的に有給休暇を取得しましょう!

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