20代の女性部下とどのように接したらいいのか困っていませんか?
現在、自分の部下のうち90%が20代の女性部下である筆者が、面談や日々のコミュニケーション、裏チャットでのやりとりなどから情報収集した彼女たちの特徴などを解説します!
目次
20代女性部下の特徴
筆者が20代の女性部下と接し続けて、分かってきた特徴は以下の8つです。
20代女性部下の特徴(1)そこまでバリバリ仕事することを望んではいない
そもそも彼女たちは、キャリアウーマンを目指してバリバリ仕事をすることをほとんど望んでいません。
彼女たちが、今の仕事こそ自己実現の手段である とは考えていないからです。
筆者は、20代女性部下と月に1回定性評価を行うための面談を行いますが、その際に決まって以下のコメントを貰います。
そんなにガツガツ仕事していきたくはないんですよね
早く帰ることに命かけてます
これらのコメントから、時間内で終わり、そこまで難易度の高くない仕事をやっていきたいという意図が見えます。
仮に難易度が高い仕事を振らなければならなくなったときは、業務量を気にかけたり進捗度合いを確認して都度アドバイスすることが必要です。
適度にこなせる仕事を20代女性部下には振っていくようにしましょう。
20代女性部下の特徴(2)裏でとっても気を遣っている
20代の女性部下は、実は裏で計り知れないくらい気を遣って行動しています。
誰かが少しでも落ち込んでいるなら、陰で「大丈夫?」と声をかけています。
これってこんなふうにした方がいいのかな?
それって誰かを傷つけることにならないかな?
とめちゃくちゃ考えて行動を起こしています。1つの行動を起こすために、いろんなことを考えてから動くわけです。
客観的に見れば自分たちも相当面倒くさい人間関係の中にいるのに、それを棚に上げて「あっちは面倒くさそう」と言ったりします。
その分抱えているストレスは尋常じゃないので、面談などで彼女たちの話を聞く際はどんなことを言われるか分からないと覚悟しておきましょう。
ちなみに、面談の際にはこちらの対応が「解決策を提示する」のか「ただ聞くだけ」なのかを相手や相手の話によって見極める必要があります。
このケースでは、気を遣っていることをやめたいから改善の相談をしたいのではありません。
自分が周りに気を遣っていることを知ってほしい、認めてほしい、そして気を遣っている私偉いでしょ? という話を聞いてほしいという思いがあるので、話半ばで解決策を出そうとせず、ただ聞くことに徹しましょう。
20代女性部下の特徴(3)平等で納得のいく評価をされたい
20代女性部下は、「出る杭」になることを極端に嫌います。
ほかの女性たちからの嫉妬が面倒だからです。
仲間外れにされたくないとか、誰かが嫉妬を受けているのがかわいそうとか、そういう感情ではなく、嫉妬が渦巻く中にただただ入りたくない、面倒くさいという感情を持っています。
男性の場合は、出る杭になることで自尊心を満たされるため、むしろ積極的に出る杭になりたいという人が多いです。筆者もそうです。ただし、女性の場合はそうではないということを肝に銘じましょう。
実際に筆者も女性部下との面談の際は100回くらい「対等・平等でいたい」と言われました。
そのため、マネジメントをする上では誰かにスポットライトを当ててもてはやす手法を用いるのではなく、みんな平等に特別扱いして出る杭にすることが必要です。
全員の前で褒めた回数をメモしておいて、一番少ない人を次の機会に褒める、ということを続ければうまく回るでしょう。
20代女性部下の特徴(4)ストレスのない環境で働きたい
2と3でもご説明した通り、20代の女性部下は面倒ないざこざを嫌っていますので、ストレスのない職場で仕事をしたいと常々考えています。
「楽しく、辛くない仕事をしたい」と実に8割の人から筆者が言われたためです。
「仕事は辛いもの」「若いうちはしんどい経験は買ってでもした方がいい」という表現をよく聞きますが、あれは彼女たちの理想とは程遠いものでした。
よって、20代女性部下のマネジメントをする際は、いかにストレスをかけずに成果を出させるかを考える必要があります。
具体的には、仕事が多すぎないか、人間関係で不満を抱えていないかなどを常にウォッチする必要があるということです。
普段から彼女たちの行動に目を配り、異変は素早く察知するようにしましょう。
20代女性部下の特徴(5)プライベートがうまくいけば仕事もがんばれる
20代女性部下は、多少仕事が大変でもプライベートが充実していれば仕事をがんばってやってくれます。
プライベートが充実していることによって、仕事で発生したストレスを溜め込まずに済むからです。
新型コロナウイルスが猛威を奮ってもう長いですが、筆者の部署にいる旅行が趣味の女性部下が、外出自粛によってやる気をどんどん落としていくのが目に見えて分かりました。
本人いわく、毎日同じことの繰り返しでとても退屈だとのことでした。
このように、プライベートの充実によってストレスをマネジメントしている20代の女性部下たちは、その機会を奪われるとみるみる元気がなくなります。
何が彼女たちの好きなことなのかを知っている場合は、「そうえいば最近●●できてるの??」みたいにフランクに聞いてみるのがいいでしょう。
その返答によって、仕事で多少負荷をかけられるのかどうかが変わるので、1つの目安にしてみてください。
ちなみに筆者が実際に20代の女性部下に言われたプライベートの希望は以下の通りです。
- 乗馬したい
- 野球チームの応援をしたい
- 旅行したい
- 楽しく騒ぎたい
- 犬と戯れたい
割とアウトドア系が多いので、筆者の部署はあまり負荷をかけられる状況ではなくピンチだと分かります。
大変。
20代女性部下の特徴(6)見えないところでがんばっていることを見てもらえるとうれしい
20代の女性部下は、表には見えないがんばりを知ってもらえることに喜びを感じます。
「私のことを見てくれている!」と彼女たちの承認欲求を満たすことにつながるからです。
筆者の部署でのオンラインミーティングの際、うまく発言できなかったことでその場で泣いてしまった女性部下がいました。
表面上は「彼女が泣いてしまい、画面をオフにしたままミーティングが終了した」という事実だけがあります。
ただ、その日の他の女性部下たちの日報ではこんなことが書いてありました。
●●さんの気遣いが神
●●さんみたいにできるようになりたい
●●さんというのは、泣いてしまった人とは別の人です。
「ミーティングで泣いてしまった部下がいる」「●●さんの気遣いがすごい」これらの事実を合わせると、裏で●●さんが泣いてしまった女性部下をフォローしたことは想像に難くありません。
実際に●●さんに聞いてみたところ、それは事実だったため、
裏でフォローしてくれてありがとう、助かったよ
とすかさず褒めたところ、
みんなのためにがんばります!
という言葉を返してくれました。
ポイントとして必要なことは2つあります。
- 常に情報収集できるよう、20代の女性部下たちの行動を見ておくこと
- 収集した情報から推測できる仮説に対し、惜しみない称賛を送り、感謝すること
仮に送った称賛が的外れだったとしても、褒められて嫌な気持ちになる女性部下はいませんので、先手必勝で褒めたり、感謝したりしましょう。
20代女性部下の特徴(7)恋愛の話は突っ込まれたくない
20代の女性部下には、恋愛の話を振るのは絶対にオススメしません。
どう転んでも上司側が不利になるからです。
恋愛の話、つまり以下のような話を振ったとします。
- 最近彼氏とはうまくいっているの?
- 最近浮いた話はないの?
- 休みの日はデートしてるのかな?
女性部下のリアクションはポジティブなものかネガティブなものの2択になります。
すなわち、「そうなんです! でも聞いてくださいよ~」なのか、「え、それってセクハラですよね?」とどちらかです。
ポジティブなリアクションは、その場の会話としてはいいかもしれませんが、それを聞いているほかの女性部下が「何楽しそうに話してるの? 仕事してよ」と嫉妬に似た感情が生まれ、小さくない被害がそこに発生します。
ネガティブなリアクションは、言わずもがなですね。
いずれにしても、どこかで何かの被害が発生するのは確実なので、20代の女性部下に恋愛の話を振るのは今日からやめましょう。
「私はセクハラだと言われることはきっとない!」と思われる人もいるかもしれません。筆者もそうでした。
ただ、話をされて20代の女性部下がセクハラだと感じる基準は「どんな人に言われるか」であり、その基準は人によって違うので、こちらのコミュニケーション力への自信は置いといて、管理職としてリスクを避けるべきです。
20代女性部下の特徴(8)ミスしたことを突っ込まれると耐えられない
20代の女性部下は、ミスしたことを追及されるとテンションが地の底まで落ちます。ひどい場合は逆ギレします。
ミスをした時点ですでに彼女たちは「やってしまった、穴があったら入りたい」落ち込んでいるのに、そこでさらに指摘されると「そこまで言わなくていいじゃん!もう十分反省しているのに!」または「は?」ってなります。
実際に、自分のミスでお客さまから苦情をもらっていた女性部下が、ほかの人から注意を受けた際に「は? うるさい」と怒って帰ってしまった例があります。
またほかにも、筆者が女性部下から提出した企画書を見て、再提出を依頼したあとに背景や課題、解決策の考察が甘いとロジカルに追及すると泣き出してしまったケースもあります。
このように「うまくいかないこと」があったあとの女性部下への対応は、非常に慎重に行う必要があります。
20代女性部下が上司の求めているもの
20代の女性部下が私たち年上の上司に求めているのは、「きちんと話を聞いてくれること」です。
女性は問題が解決することを求めるのではなく、話しただけでスッキリすることが多いからです。
いきなり改善策を伝えたり、改善策を考えたりするために根掘り葉掘り情報収集するのは基本的にはNGだと考えてもらって差しつかえありません。
というのも、もし女性部下自身が改善策が欲している場合は、「●●してもらえませんか?」と最初から話し始めます。
そうでないとき、つまり「実はこんなことがあって……」と話し始めたときは解決策の提案は不要です。
そうなんだね、それは大変だったね、そんな中色々ありがとね、助かるよ みたいに相づちを打てればOKです。
こちらの懐の深さと余裕を見せるようにしておきましょう。
20代女性部下と築きたい関係によって起こすべき行動
8つの特徴を踏まえて、あとは20代女性部下とどのような関係を築きたいのかによって、今後取るべき行動が変わります。
仕事を円滑にするために当たり障りない関係でいたいのか、それ以上に気に入られたいのかの2択です。
- 当たり障りなく接するためには、マイナスの行動を起こさないこと
- 気に入られたいなら、先回りしてプラスの行動をすること
これらを意識すれば、こちらと20代の女性部下との関係性はよくなっていきます。
すべての部下から好かれるように取り組む必要はありませんが、ある程度良好な関係を築く必要があります。もちろん20代の女性部下は、嫌いな相手とでも演じて仕事上の関係としてやってくれますが、それ以上のシナジーは生まれません。普通に話しているように見えても、直接聞くと「あの子とは2度と関わりたくない」と平気で発言する人もいます。
こうなってしまうと、一つ一つの仕事のスピードが遅くなるので、組織として望んだ成果を出すことはできなくなります。ご注意ください。
さいごに
20代の女性部下は、非常に繊細です。なにか1つこちらがやらかしてしまうことで、一気に関係性が修復不可能になることもあります。
自分の言動に気をつけて接していきましょう。