後輩の育成が面倒だと思った人に贈る、超効率的な後輩の育成方法

後輩の育成が面倒だと思った人に贈る、超効率的な後輩の育成方法

社会人を何年かやっていると、多くの人に後輩を育成するタイミングがやってきます。後輩の育成を任命されると、自分が認められたと喜ぶ人がいる一方で、以下のように思う人もいるでしょう。

  • 「後輩の育成を指示された。やったこともないのにどうすればいいんだろう?」
  • 「私は人に怒りたくないから後輩の育成は遠慮したい」
  • 「正直自分以外のだれかの仕事のことも考えないといけないのは面倒かも」

上記のように思っている人の気持ちもわかります。後輩の育成は、後輩の習熟度や成長スピードなどの自分ではコントロールできないところも自分の守備範囲に入ってくるので、そりゃ避けたい。

でも指示された仕事なら逃げられないので、本記事で効率的な後輩の育成方法を知り、後輩の育成期間を最短距離で駆け抜けてください。

後輩の育成を超効率的に行うフローチャート

後輩の育成は、以下のフローチャートに従って行うと非常に効率的です。

後輩の育成方法を簡潔に示したフローチャート
だいたいこの3パターンのいずれかになります。

後輩に教えることを仕分けする

後輩に教えようとしていることが以下の3つのうちどれに当たるのかを分類します。

  • 単純作業系
  • 知的労働系
  • マナー、人として系

以上の分類によって最短距離で成果を出せる後輩指導の行動が変わるため、育成に無駄な労力を使わないようにするためです。

???

後輩には自分で考えさせてあえて失敗させる経験も必要らしい 

なんて聞いたことがある人もいるでしょう。筆者も正しいと思いますが、そうでないシチュエーションももちろんあります。

たとえば、教えようとしている仕事が勤怠登録(出勤簿、タイムカードなど)だったとします。勤怠登録はどうするか考えなくともやり方が決まっている業務です。このルーティン業務にも「どうやったらいいか自分で考えてみて」と伝えることが無駄なのは、少し冷静になればだれでもわかります。

良いとされている指導法も、正しく使わなければただの回り道になります。最短距離で指導を行うために、まずは指導しようとしていることを分類する必要があるのです。

単純作業系業務を教える場合

後輩に単純作業系の業務を教える場合は、1回で事細かに教えて、あとは自分で書いたメモを見て思い出してと伝えるだけです。

単純作業系の業務指導を最短で終わらせるには、1回で教え切ることが最速だからです。

1回で教え切るためには、できるだけ詳細に教える必要があります。「できるだけ詳細に」とは、1つの動作ごとに区切って伝える、ということです。

具体的には以下のように伝えると良いでしょう。

勤怠登録を教える場合の例
  1. 勤怠登録ページにアクセスする
  2. IDとパスワードを入れる
  3. 「当日の出勤状況」という箇所をクリックする ……etc.
りぴとん
りぴとん

RPAでロボットを作るのと似ています。

後輩に指導する時間を短くしようと所々端折って説明した場合、結局その端折った部分で後輩がつまづき、

部下A

これってどうしたら良いですか?

と質問がきます。

そして、その質問はたいていの場合先輩側が端折ったほど簡単な部分なので、

りぴとん
りぴとん

そんなことで聞いてくるなよ!

と言いたくなる気持ちがふつふつと沸き起こり、時間とメンタルを消耗する人が多いです。

ここまで伝えたのだから、質問なぞさせまい」と言い切れるくらい細かく教えてあげましょう。

ちなみに先ほども記載した通り、単純作業系の業務を教える場面で「どうするのが正解だと思う?」と聞くのはナンセンスです。一発で完璧に伝わるように工夫し、あとは後輩自身に反復してもらいましょう。

知的労働系業務を教える場合

後輩に知的労働系業務を教える場合は、後輩自身にどうするか一度考えてもらって、その答え合わせをしていく方法がオススメです。

そもそも知的労働とは、マニュアルにはない仕事のやり方を考えて自ら実践することで、営業や企画、マーケティングなどからフォーマットのない会議報告など多岐にわたる業務です。

知的労働をするにあたり後輩に一度考えてもらう理由は以下2つです。

知的労働系業務は、2つの理由で後輩に一度考えてもらうのがオススメ!
  • 経験のない後輩が考えたやり方が正解に近い可能性もあるから
  • 考える経験を積まなければいつまで経っても知的労働ができないから

正解がなく、ビジネスの環境も刻一刻と変わる今のご時世、昨日まで最善だった方法が今日も最善である保証はどこにもありません。経験豊富な先輩の方がしがらみによって新たなアイデアが出ないことが多く、そういう環境ではむしろ後輩の突拍子のないアイデアの方が大歓迎です。

りぴとん
りぴとん

もちろん全て採用するわけにはいきませんけどね。

さらに、後輩自身が考えることを経験しなければいつまで経っても自ら考えることができるようにならず、ことあるごとに先輩側が質問を受けるハメになり、時間が取られてしまいます。

最初は時間がかかりますが、後輩たちもゆくゆくは自立していきます。粘り強く「どうしたら良いと思う? どうしてそう思ったの?」と聞き続けることが後輩育成を最短で終わらせる近道です。

マナーや、「人として」なことを教える場合

マナー系のことを後輩に教える場合は、後輩が「ズレている」と感じたときにすぐに言うことと、自分がちゃんとやることの2つを意識してください。

すぐに言われた方が後輩に響くのと、「先輩ができてないことをなんで自分が?」と後輩に思わせるスキを与えないためです。

時間を守ったり、挨拶をしっかりしたり、身だしなみを整えたりなどのことは、見つけた瞬間に指摘しましょう。

ただ、たまに

部下A

これは私の個性なので、それを潰さないでください。

と後輩から言われることがあります。実際に筆者も何度も言われました。

その場合は、「個性は仕事の結果や意見で出して。君が所属しているのは組織だから。」と一刀両断して終了です。

りぴとん
りぴとん

「うるせぇ」が正解です。

私は人を怒れないから後輩の育成が苦手、という人へ

後輩の育成において、そもそも怒る必要はありません。

怒るのではなく事実を指摘するだけです。やるべきことができていないからその指導をするだけ。

  • ネクタイ緩いから締めて
  • 誤字があるから修正して
  • 取引先の訪問数が少ないから対策考えて
りぴとん
りぴとん

「怒」の感情なんて1ミリも必要ありません。事実に対して冷静にツッコミを入れるだけです。

  • こう言われたら傷つくかな
  • やる気なくしちゃうかな

上記のような迷いは必要ありません。指摘されない状態で失敗をやらかす方がよっぽど後輩は凹みます。

なんで私が後輩の育成を? と思った人へ

今まで指導経験もないのに、急に後輩の育成を指示されると「なんで私なの?」戸惑う人もいるでしょう。

現役管理職の立場から言わせていただくと、後輩の育成を任命する人は「ほかの人に任せるよりこの人に任せた方が安心だ」と思える、実績や仕事ぶりに一定の信頼を置いている人です。

つまり、少なくとも指名されなかった人よりも評価がいいと自分を褒めてください。

また、人にノウハウを伝えるためには自分の中で整理されておく必要があるので、結果自分のスキルが上がります。

どんな人が育成係やリーダーに選ばれやすいのかは、筆者の観点から以下記事にまとめています。参考程度にどうぞ。

さいごに

後輩の育成は、後輩の習熟度や成長スピードなどの自分ではコントロールできないところも自分の守備範囲に入ってきます。

今まで自分の仕事のみをしていた人からすると、コントロールできずに振り回される可能性があるので、距離を置きたくなるのは当然です。

ただ、途中に申し上げた通り後輩の育成を任命される人は「ほかの人よりも評価がいい人」である可能性が高いです(少なくとも筆者の場合はそうです)。

自信を持って対応しましょう。

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