フィトンチッドとは？　効果や導入例、研究結果などをまとめました！

※本記事は2021年3月22日に更新されました。

新型コロナウイルスが発生して1年以上経過しました。マスクや消毒が当たり前の世界となり、飲食店も定期的な消毒や換気などのウイルス対策が営業の必須条件となっています。

その中で「新型コロナウイルスの対策に効果的かも！？」と一部で注目されている「フィトンチッド」について、本記事で研究成果なども合わせてまとめて解説します。

本記事では、以下の疑問を解消します。

フィトンチッドの効果を知りたい
フィトンチッドが怪しいものでないのかを知りたい
実際に導入されているのかどうか知りたい
フィトンチッドを活用している商品を知りたい

フィトンチッドとは？

フィトンチッドとは、植物が自分を守るために放出している成分のことです。

植物は害虫やウイルスが自分に近寄ってきても動いて避けることができないため、そんな中でも外敵から身を守るために植物が放出している自己防衛の成分みたいなものです。

フィトンチッドは森林の木々の自己防衛による結果生まれた

私たち人間や犬、猫などの動物は、自分に危機が降りかかったときでも「自分で動いて」その場から離れることができます。

ですが、森の木々をはじめとする植物は、自分にとっての危機がやってきてもその場から動いて危機を避けることはできません。そのまま自然界に放っておくと、野生動物から引っ掻かれた傷からウイルスが染み込んで、一気に枯れてしまいます。

でも、現代でも森にはたくさん木が生えています。それは木々が外敵の攻撃を受けても自分を守れる、または自分を修復できる成分、つまりフィトンチッドがあったからなのです。

りぴとん

フィトンチッドは植物が自分を守るために生み出したものなんですね〜。

フィトンチッドの効果

植物が自己防衛のために生み出したフィトンチッドには、以下の効果があります。

除菌作用
消臭効果
抗酸化作用
リラックス効果
免疫力向上

りぴとん

ひとつずつ解説していきます。

フィトンチッドには除菌・抗菌作用がある！

フィトンチッドは、インフルエンザウイルスをはじめとした多くのウイルスを除菌・不活性化させる効果があります。以下が検証結果の一例です。

ウイルス不活化試験の不活性化率（30分後の結果）

インフルエンザウイルス

99.9 %

ノロウイルス

99.9 %

ウイルス除菌試験の除菌率（1分後の結果）

大腸菌

100 %

黄色ブドウ球菌

100 %

肺炎桿菌

100 %

O-157

100 %

サルモネラ菌

100 %

抗カビ試験の除去率（10分後の結果）

黒カビ

99.9 %

黒コウジカビ

57 %

りぴとん

ということで、試験しただいたいのウイルスに効果があることが分かっているようです。すごっ！

フィトンチッドには消臭効果がある！

フィトンチッドは、嫌な臭いを消し去ってくれる効果があります。

りぴとん

そりゃそうですよね、もしそういう効果がなければたくさんの動物たちが排泄する森は悪臭騒ぎになっていてもおかしくありません。

消臭試験の結果（30分間の除去率）

消臭実験も行われており、以下が試験結果の一例です。

アンモニア

83.8 %

メチルメルカブタン

60 %

硫化水素

90 %

アセトアルデヒド

91.7 %

イソ吉草酸

75 %

酢酸

87.5 %

りぴとん

30分間放置しておくと、だいたいの臭いが消えるといえそうですね。

フィトンチッドには抗酸化作用がある！

フィトンチッドには、活性酸素を消し去る効果があります。実際の実験結果は以下のとおりです。

活性酸素除去率（平均値）

50 %

何パターンかのフィトンチッドを使った実験があり、一番高い効果は60％くらいのものもありましたが、平均すると50％くらいでした。

活性酸素って？

活性酸素とは、空気中の酸素を人間が吸い込むことで、通常の酸素よりも活性化した状態にに変化した酸素のことです。

活性酸素自体は体の免疫機能を高めてくれるものなので、ないと困るものです。ただ、たくさんの紫外線を浴びたり、ストレスを抱えたりすることによって過剰に摂りすぎると細胞を破壊してしまうため、老化や動脈硬化、ガンなどの原因となります。

活性酸素が増えすぎないようにすること＝老化しないで若々しくいられるということであり、抗酸化の効果があるのはいつまでも元気な自分でいられるということですね。

フィトンチッドにはリラックス効果がある！

フィトンチッドにはストレスホルモンを減少させ、リラックスできる効果があります。

フィトンチッドがたくさん放出されている森林と、フィトンチッドが少ない都市とで同じように時間を過ごした後、それぞれ以下の数値について調べたところ、すべての数値でフィトンチッドが放出されている森林の方でいい結果が出ることが分かったという実験結果があります。

ストレスホルモン→森林の方がストレスホルモンの分泌が少なかった
脈拍数→森林の方が脈拍数の上昇が抑えられた
心拍数→森林の方が交感神経の活動が低下した

上記の実験でのストレスホルモンは「コルチゾール」のことです。コルチゾールとは、ストレスを受けたときに脳から分泌されるホルモンで、ストレスが溜まりコルチゾールが分泌され続けるとうつ病などを発症します。

りぴとん

活性酸素と同じように多すぎると良くないということですね。

また、交感神経の活動が低下するということは副交感神経の活動が増えるということであり、夜にぐっすり眠れたり、リラックスできたりする効果もあるようです。

フィトンチッドは免疫力を向上させてくれる！

フィトンチッドの最後の効果は、自分の免疫力を向上させてくれるという効果です。

フィトンチッドが放出されている森林で過ごしたことによって、2日後にはNK細胞が53％増強されたという実験結果があるためです。

NK細胞とは？

NK細胞（ナチュラル・キラー細胞）とは、生まれつきに外敵を攻撃することができる免疫細胞のことで、最近ではガンの免疫療法として新たに注目されている細胞です。

フィトンチッドあふれる森林浴によって、NK細胞が増えるため、自分を外敵から守ってくれる細胞が増えたり強くなったりするので、結果的に自分の免疫力が向上するようです。

フィトンチッドは新型コロナウイルスに効果的なのか？

※2021年3月22日追記

2021年2月19日のフィトンチッドジャパン株式会社のプレスリリースによって、フィトンチッドに新型コロナウイルスを不活化させることが判明しました！！　以下プレスリリースの引用です！

フィトンチッドジャパン株式会社（本社：京都府精華町、代表取締役：逢坂達也）は、森林浴成分として知られるフィトンチッドの溶液研究と用途開発を行っています。
この度、フィトンチッドジャパンが開発するフィトンチッド溶液（PT-150VR）について、バイオアイ株式会社、株式会社Growlinkと共同で新型コロナウィルス（SARS-Cov-2）へのウィルス不活化試験を実施し、その不活化効果を確認しました。（新型コロナウィルス不活化試験について）
試験内容：　フィトンチッド溶液（PT-150VR）に対して新型コロナウィルスの不活化効果を検証する。
試験機関：　（株）ビオスタ
試験場所：　鳥取大学医学部
試験監修：　吉山裕規（島根大学医学部微生物学　教授）
ウィルス：　SARS-COV-2
細胞：　VeroE6/TMPRSS2
（試験方法）被験物質とウィルス溶液を混合し、室温で30分の所定の反応を行った。
結果、PT-150VR水溶液は、常用対数で3.0（＝99.9％）のSARS-Cov-2不活化効果を示した。
引用元：PR TIMES（https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000023677.html）

りぴとん

すごーい！　って感じですね。

フィトンチッドの研究の歴史

フィトンチッドが発見されてから、さまざまな効果があると分かってきた今までで、どのような研究が行われていたのかをご紹介します。

フィトンチッドの歴史ー世界

始まりはドイツで森林浴セラピーが注目されたことですが、それはなんと100年以上前のことです。クナイプさんという人が提唱した自然療法が始まりだったそうです。

りぴとん

クナイプさんの自然療法では森林浴が一つの重要な要素として位置付けられていて、なんとドイツでは森林浴で健康保険が適用になるようです。

そこから自然療法、森林浴はドイツで市民権を獲得していった、ということです。

フィトンチッドの歴史ー日本

日本では1982年に「林野庁」が森林浴に関する取り組みを始めたのがきっかけです。以下ウィキペディアの引用です。

自然美を見直し、森を造る意欲を高めようとの狙いから、温泉浴・海水浴・日光浴などになぞらえて、日本の林野庁が主導して1982年（昭和57年）7月に国内で提唱した「森林浴構想」に起源がある。
出典：Wikipedia（https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%9E%97%E6%B5%B4）

その後、以下のように研究が行われ、知名度が上がっていきました。

りぴとん

上述のウィキペディアを参考に、簡単にまとめています。

1990年: 森林浴の効果を調べる科学実験の開始

2004年: 森林浴を予防医学に生かすための研究が開始

2010年: アメリカ・ニューヨークタイムズが日本の森林浴研究を紹介

2017年: アメリカで「Shinrin-yoku」が商標登録される（！）

2018年: ヨーロッパやアメリカで「Shinrin-yokuブーム」が起こる

りぴとん

徐々に研究されていったことがアメリカで商標登録されていることに驚きました。笑

りぴとん

結構歴史は長く、たくさんの人が関わって少しずつ研究と実験が繰り返され、今の結果を得ているということですね。

フィトンチッドの口コミ

フィトンチッドを活用した商品を使用している人たちの口コミは以下のような内容です。

アレルギー性鼻炎や花粉症のため、「咳」がひどかったのがおさまってきました。
夜、主人が「いびき」をかかなくなりました。
外から帰宅すると自宅の空気に「ホッ」とします。
ペットの臭いがなくなりました。
カニを食べた時、普通ならいつまでもカニの臭いが残るのに臭いが気にならず、ビックリしました。
主人の加齢臭が気にならなくなりました。
家族でだれも「風邪」をひかなくなりました。
来客が多いのですが、皆さんクリーンな空気に感心して帰ります。
治療院に大勢の方がお越しになりますが、多種の臭いが入り混じり、異様な臭いで困っていました。「施術室」に設置すると以前の臭いが消えて爽やかになり、患者さんにも好評になりました。
陸ガメの悪臭が約１時間でなくなりました。
猫が4匹いるのですが、いつもイオンフレッシュを置いている部屋に集まっています。

「ぽっと出」かのように見えるフィトンチッドですが、正直名前を知らない人からすると、

？？？

何物だ？