指示待ちで、自主的に動いてくれない部下には自主性を持って積極的に仕事に取り組んでほしいと思いますよね。
そのために必要なことは考えられる原因を潰す改善策を打つことです。
私の実体験によれば、部下が指示待ち状態になってしまう原因は4つありましたので、それぞれ原因ごとに対応する改善策を記載していきます。
目次
部下が指示待ちになる4つの原因
自主性がない人たちがなぜそうなってしまっているのか、私が思う原因は4つあります。
- 部下に仕事に対する自信がなくて積極性を出せないこと
- 部下が自分で考えるクセづけができていないこと
- 部下が周りから「あいつがんばっちゃってさ」と思われたくないという思い
- 部下自身が積極的に前に立つことは給料に含まれていないからやりたくないという思い
それぞれ、原因の説明と対応策をお伝えします!
指示待ち部下の原因(1)自信がないこと
部下が今している仕事に自信を持っていなければ、積極性を持つことは難しく、指示待ち状態になることが非常に多いです。
年次が浅い人によくある原因です。実際私が関わった指示待ち部下もこのケースが多かったです。
自分の仕事に自信がない入社1年目の状態で上司から「じゃあこの件について誰か説明してくれるか?」と言われたときに、全力で挙手する人は少ないでしょう。
それもそのはずで、人は基本的に自分のできる範囲でしか物事を進めようとはせず、新しいチャレンジには尻込みしてしまうものです。
もしそうではない冒険者みたいな人がいたとしたら、そもそもこの「自主性がない」という問題には当てはまらないはずですからね。
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解決策
自信がない人が自主的に提案や発言をしてくれるようになるためにすることは非常に簡単です。
その部下に自信をつけさせてあげればいいのです。
思い出していただきたいのが、あなたが仕事に自信が出始めたのはどんなときだったでしょうか?
おそらく、何かしら仕事でうまくいって、達成感を得ることができたときや、上司に褒められたときなどでしょう。
つまり、部下に自信をつけてもらう方法は成功体験を積ませてあげることが一番確実です。
具体的にどう成功体験を積ませてあげるかはたくさんやり方があると思いますが、一番簡単な方法は「小さなハードルをたくさん設定し、成功体験の数を増やすこと」です。
たとえば営業マンであれば、ゴールは契約を取ることですよね。
そこで契約に至る過程を分解した細かい目標をたくさん作って、1つずつクリアしてもらうことで成功体験をたくさん積み、自信をつけてもらうことが可能となります。
また、どういうときに自信がついたかをヒアリングすることも原因把握のうえでは効果的です。
普段の会話の中で「一番得意なことって何?」と聞くことで、得意なものがどういう経緯で得意に、つまり自信のあるものになったのかをヒアリングできます。
それがわかれば、それと同じような状況を作り出すことで、自信をつけさせることが可能になります。
指示待ち部下の原因(2)自分で考えるクセづけができていないこと
自分で考えるクセづけできていない人も仕事の姿勢には自主性を伴いにくいです。
仕事において、「ここをこういう風にしたらもっと良くなると思います」なんて自主的に発言できる人は、まず自分で改善策を考えられる人でなければ難しいからです。
これはいわゆるゆとり世代には多く見られる傾向で、自分で考えるのではなく、指示されたことをこなすことの方が楽だと思っていることが原因です。
筆者も思いっきりゆとり世代です。
実は私も以前そういう思いを持っていたのですが、自分で考えて提案してみてもどうせ否定されるだろうという考えを持っていたり、反対にあったとしても押し通したいほどの熱意は正直持ち合わせていないという考えがあったりすることで、自分で考えていても発言や提案しなくなってしまうということが起きます。
もしくはすぐに上司が部下に答えを教えてしまうことが原因になるケースもあります。
部下にわからないことがあっても上司に相談するとすぐに答えをもらえるなら、わざわざ考えず上司に相談した方が早いですよね。
このように、部下自身に原因があるケースと上司側の対応に問題があるケースのどちらかが部下の成長を妨げています。
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解決策
自分で考えるクセづけができていない部下は、自分で考えるクセをつけてもらって、自主性を手に入れてもらいましょう。
ただ、答えをすぐに教えてしまわないように、部下から何か質問をもらったときに「自分で考えてみて」と突き放すのはNGです。
それで考えられる人はもうすでに自分で考えていますからね。
逆に
この人は自分の相談にはまったく乗ってくれない
とマイナスな印象を与えてしまいかねません。
ではどうするかというと、部下が考えられるように誘導質問をするのです。
部下からざっくりと相談をもらったとします。
この件についてどうすればいいでしょうか?
そうきたら、以下のようにこちらが返して部下が自分で考えられるように誘導していきます。
相談してくれてありがとう。君が一番いいと思う対応はなんだと思う?
Aという対応がいいと思います。
ここで、Aという対応では不測の事態に対応できない、もしくはまったく見当違いであるということは管理職からするとよくあることでしょう。
部下のAという提案を修正することになりますが、部下の意見を絶対に否定しないよう注意してください。
Aか。なかなかナイスな意見だね。ちなみにAをした結果Bという事態が起きたらどうする?
うーん……そうすると、もともとAではなくCがよかったですか?
いい考えだね。それで頼むよ。相談ありがとう。今後も「これをしたらどうなるだろう?」というその先を考えることを大切にしてね。
分かりました!
相手の意見を否定することなく、追加の事態を想定させて、あなたが思う解答にたどり着かせるようにすればOKです。
これを継続させることができれば自ずと考えるクセづけができてきます。
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指示待ち部下の原因(3)出る杭になりたくない思い
3つ目の周りを気にしてしまうタイプの人は、最近でいうところの「意識高い系」だと認識されてしまうのが嫌だというケースです。
このタイプに当てはまる人は、とても仲間想いであるがゆえに周りから疎まれたくないと思ってしまい、行動できなくなってしまうことが考えられます。
たとえば、自分の中では会社に入ってきたら挨拶はしたほうがいいと思っていても、周りの人の多くが挨拶をしないし、それを提案することによって「なんだよアイツ、めんどくさいな」と思われたくないというような感じです。
解決策
正直なところこのタイプは学生のときはよくあったかもしれませんが、社会人になってから巡り逢うのはほとんどないかもしれません。
ただ、少数かもしれませんが、そういう部下がいる可能性があるのも事実です。
この場合は、自主的にこちらに提案してきてもらう際に、周りにとってのメリットを考えてもらうことを伝えると解消できます。
周りの人たちから「あいつ何がんばってるんだ」と思われないように、提案をすることはその周りの人たちにこういうメリットがあるから実施すると提案してもらうのです。
提案の前に、相手にとってのメリットを考えるというステップを1つ追加するイメージですね。
これをすることによって、メリットが相手にハマるものであれば疎まれるどころか周囲から称賛を浴びますので、自主性につなげることが可能となります。
指示待ち部下の原因(4)給料と見合わない
給料以上のことを積極的にはこなしたくないという人も今の世の中いることでしょう。
何かお願いをしようとしたときに、必ず最初の一言が
それって給料に含まれてますか?
と言ってしまう人です。
仮にあなたの組織にこういう人が組織にいらっしゃるのであればやりにくいなぁと感じていらっしゃるのではないでしょうか?
私もこのタイプの人に対しては、正直やりにくさを感じていました。
ただ、見方を変えるとこのタイプの人たちは、自分の給料範囲内のことであればきちんとやり遂げてくれるという業務への安心感がある人たちだと考えることができます。
考え方を変えることによって打てる対策も変わってくるということになります。
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解決策
あなたよりも年齢が上か、もしくはプライベートの充実に重きを置いている部下に考えられるこのケースは対応が多岐にわたります。
給料以上の仕事がしたくない理由を深掘りすると、おそらくいろんな理由が出てくると思うからです。
たとえばこんなことが考えられます。
私が出会った部下は「プライベートでやりたいことがあるから仕事を増やしたくない」と考えていました。
このケースは要するに時間内に仕事を終わらせることが大切だと考えているということになります。
それを踏まえて、下記対策を打ちました。
- 今その部下が担っている仕事を整理して他に任せられるものを他に回す
- ルーティン業務の中に「業務改善」の時間を作る
- 「業務改善」の時間の導入の際に、「今の業務をより素早くおえて、休みを取りやすくするための時間である」と説明する
この3つで私はプライベートを重要視している人に自主性を持たせて仕事に取り組ませることができました。
部下が指示待ちになる原因を探る方法
部下が指示待ちの状態になってしまう原因を把握するためには、ストレスなく話してもらえるよう部下自身にヒアリングする必要があります。
その理由は下記の2つです。
部下にストレスなくヒアリングするためには、たとえば下記のような言い回しを使うのが有効です。
- 「ちなみに」最近元気ないの?
- いつもは意見くれるのに「どうしちゃったの?」
- 「どうしたら」もっとよくなるかな?
上記の言い回しは、「なぜできないのか?」と同じことを聞いているのですが、言葉の柔らかさによって、受け手の印象がガラッと変わります。
指示待ち部下以外のの原因追及のヒアリングの場面でも役に立つので、オススメですよ!
そもそもその原因を把握できないことには、正しい対策を打つことができません。
たとえるなら、野球選手にホームランを打たせたいときに、野球のボールをキレイに磨くよう伝えたところで意味がないわけです。
ホームランを打ちたいならなぜボールがバットに当たらないのか、スイングがおかしいのか、選球眼がズレているのか、バットが自分に合っていないのかなど、きちんと原因を深掘りして対策を打つということが何をするにしても大切です。
質問の仕方を工夫して、原因の把握に努めましょう。
まとめ
仕事に受け身になってしまう部下に考えられる原因は4つでした。
この4つのうちのどれかが原因として当てはまることが多いのですが、もちろん決めつけるのはNGです。
しっかり部下にヒアリングすることで、原因を究明し、適切な改善策を打つことをオススメします。
決して精神論でなんとかしようとしないでください。
昔は「気合入れろ!」の一言でなんとかなったとしても今は時代が違いますよ。