投資の1つとして不動産投資は人気がありますよね。
ただ、不動産投資を行うと普段会社員ならしなくていい確定申告をすることとなります。
確定申告の際に不動産の利益(または損)を計算するためには、1年間で使用した経費を証明する証明物が必要です。
筆者も不動産関連の書類をあちこちにやってしまいがちなので、確定申告のときに困ることも多いです。
そこで本記事では、経費の書類を紛失してしまった場合どうすればいいのか、経費の項目ごとに解説したいと思います。
目次
不動産投資の経費書類を紛失したら?
固定資産税の納付はしたんですが、切れ端みたいな領収書をなくしてしまいました。。
慌てず騒がず、納税証明書を取りに行きましょう。
不動産投資の経費書類を紛失したときは、落ち着いて書類の再発行ができないか調べましょう。
この世に再発行できない書類などないと思っていたらOKです。
不動産投資を行っている人に発生する代表的な経費を元に、以下で証明物の入手方法を紹介します。
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固定資産税
固定資産税は、不動産を持っている人に毎年かかる税金です。
毎年4月上旬に、所持している物件がある市区町村から、窓付の封筒で送られてきます。
支払方法によって支払った証明を再度手に入れる方法は異なりますが、どんな支払方法で納税していても「納税証明書」を入手できれば問題ありません。
ちなみに、筆者が住んでいる仙台市の納税証明書発行方法は以下リンクです。
「●●市 納税証明書 発行」で検索するとすぐ役所のウェブサイトにたどり着けますので、慌てず騒がず納税証明書を入手して経費計上をしましょう。
火災保険料
火事など、不動産に万が一のことがあった際に保障してくれる保険の保険料です。
よっぽどの事情がなければ不動産を買ったときに加入しているはずですが、年払いでしかもそこまで大きい金額ではないので、忘れてしまいがちです。
火災保険料の金額が分からなくなったときは、契約している保険会社に連絡し、保険証券を再発行してもらいましょう。
保険証券には、必ず保険料が記載されているので、毎年いくら払っているのかが分かるためです。
たとえば、損保ジャパンの保険証券を再発行するときは以下リンクとなります。
損保ジャパン以外にも、「●●保険 保険証券 再発行」で検索すれば一発です。
修繕費
修繕費とは、古くなった設備を修理したり、退去があった際のクリーニング費用などが該当します。単純な領収書であるため、公的な機関に依頼できるその他の諸経費と違って、再発行のハードルが少し高いです。普段からなくさないように心がけましょう。
書類を紛失してしまった場合の支払方法による対処法は以下です。
- 現金……修理会社に連絡して領収書を再発行してもらう
- クレジットカード……カード会社に連絡してカード明細を再発行してもらう
- 振り込み……振り込んだ金融機関の支店にいき、「ご利用明細」を再発行してもらう
現金の場合の対処法が少し難しく、修理会社との交渉が必要になります。
「再発行できない書類などない」と強い心を持って交渉しましょう。
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管理費
管理費とは、管理人や管理会社に運営を任せている場合に、その人や会社に支払っている毎月の費用です。
管理会社を通している場合、毎月管理会社から家賃収入や管理費の明細が自宅に送られてきていることが多いため、1カ月分など、少しだけ紛失している場合は他の月の収支明細を見れば同額の管理費用の記載があるはずです。
もし、12カ月分すべての収支明細を紛失してしまったときは、落ち着いて管理会社に連絡し再発行依頼をするか、管理費が引き落としになっている口座の通帳を記帳して1カ月分でも金額を確認しましょう。
借入金の利息
不動産を買うために銀行から借り入れをした場合、その返済のときに発生する利息も経費になります。
現金のみで不動産を購入した人をのぞいて、こちらも固定資産税や火災保険料と同じく、毎年発生する経費となります。
借入金の返済予定表を紛失してしまって利息をいくら払ったか分からないときは、以下の方法があります。
- 金融機関で利息証明書を発行する(確実)
- ウェブ明細で取引を遡る(ウェブでログインできるようにしておく必要あり)
- リアルで通帳を記帳する(現住所から離れている金融機関だと厳しい)
どこで何をしていても確実なのは、利息証明書を発行してもらうことです。
支払先が大きいことによる安心感ったらもうね。たまらないね。って感じです。
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減価償却費
減価償却費(げんかしょうきゃくひ)とは、建物や設備の金額を一定の期間で割って毎年経費に入れ続けていくものです。
不動産などの資産が時間で価値が少しずつ目減りしていくのを、1年ごとに経費として計算しようとしたものです。
実際にお金を支払っている経費ではないため、そもそも証明物など存在しません。
だから決して紛失したわけではないので安心してください。
減価償却費は「定額法」(毎年変わらず同じ金額を計上していく方法)を選んでいる場合、過去の確定申告書に記載されている減価償却費の金額を今年も書くだけなので、非常に簡単です。
もし過去の確定申告書は思い出とともに捨て去った、という場合は以下の計算式で実際に計算するという力技で対処しましょう。
建物による耐用年数は、以下の国税庁のウェブサイトにまとまっていますので参考にしてください。
耐用年数は建物の種類ごとに決まっています。たとえば「鉄筋コンクリートで作られた住宅用の建物」であれば47年のため、償却率は0.021です。
自分が投資している建物の構造を調べて計算してみましょう。
マンションの場合、たいてい鉄筋コンクリート構造になっているんじゃないかと思います。
経費の証明物がない場合のリスク
経費の証明物がない状態で確定申告を迎えると、以下のリスクが生じます。
税金が上がるリスク
証明物を紛失している状態で確定申告を行うと、手元に書類のない経費を計上できないことになります。
それはつまり、経費金額が少なくなるため税金が高くなることを意味します。
一般的に、経費が10万円あると所得税と住民税を合わせて1万5,000円の税金を抑えることが可能です。
逆にいうと、実際には経費(たとえば固定資産税)を10万円払っているにもかかわらず、証明物がなく経費計上をできなかった場合には、余分に1万5,000円の納税をすることになります。
お金を稼ぐために不動産投資を始めたのですから、必要のない出費は抑えられるよう、経費の書類は紛失しないようにしましょう。
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税務調査を受けるリスク
経費の証明物がないにもかかわらず、上述の節税を行うために経費計上を行っている場合は、税務署から呼び出しを受けるリスクがあります。
証明物がない経費=架空の経費を計上していることによって、不当に税金逃れをしていると認定をされてしまった場合、以下の支払いが発生します。
- 証明物のない経費分の所得税と住民税
- 延滞税
- 過少申告加算税
- (場合によって)重加算税
不必要な出費でしかない上に調査を受ける時間も取られますので、税務調査だけは避けたいところです。適正な内容で確定申告をするために、経費の証明物は紛失しないようにしましょう。
書類を紛失した場合は、上述の方法でぜひ再入手してください。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
不動産投資の経費は普通の領収書やレシートでないことが多いため、再発行が可能です。リスクを取らずに確定申告を行うために、慌てず騒がず再発行の手続きを取りましょう。
この世に再発行できない書類などありません。