【実例あり】無能な部下を一人前に成長させる3つの方法

無能な部下の対処法

管理職、上司はだれだって「成果を出してくれる部下」が好きです。

そのため、成果を出せない、つまり「無能な部下」が組織にいるとどうしてもうとましいと思ってしまいがちです。

「全員ができる部下だったら自分ももっと楽になれるのになぁ……。」と思うマネージャーの人は少なくはないでしょう。

本記事では、「無能な部下」と評されてしまう人を一人前に成長させる方法をご紹介するとともに、私が実際にやってみたことでどうなったかという実例もお伝えします。

1人でも多くの「この状況をなんとかしたい」と思っているマネージャーにお読みいただきたいです。

無能な部下を成長させる3つの方法

私が実践した中で効果が出たやり方は以下の3つです。

  • 指示の仕方を変える
  • 部下ができることを仕事として与える
  • 感謝を伝える

この3つを粘り強く実践できれば、無能な部下は一人前の社員に生まれ変わります。

指示の仕方を変える

部下に仕事を依頼するときの指示の仕方を、「部下がその仕事のゴールややり方のすべてを理解できるレベル」に変えることで、部下が仕事をできるようになります。

部下が上司の狙い通りの仕事ができない理由は、正しいやり方を理解していないことに尽きるからです。

たとえば、部下に資料作成の依頼をするときには、以下のような指示を出す必要があります。

部下に細かく指示を出すときの例

資料作成をお願いします!

この資料は、会議で現状を発表するために必要なものなので、●●や●●の数字を入れてください!

内容は結果、要因、課題、改善策、見通しで1ページずつ、合計5ページの作成をお願いします!

相手の習熟度によりますが、何のための仕事なのか、そして具体的にどんなものを望んでいるのかを丁寧に伝えることで、「無能」と評される部下の成果を安定させることができます。

仮に以下のような指示を出したとしましょう。

りぴとん
りぴとん

会議で使う資料の作成をお願いします!

要領のいい部下は、上記の指示だけで以下のようなことを自ずと考えます。

  • この資料は会議で何を発表したくて作成するんだろう?
  • だれが見るんだろう?
  • 何を求められているんだろう?
  • どんなデータがあったら分かりやすいだろう?

そんな4つのことを考えながら仕事をしてくれるので、一発で上司の思惑どおりの資料ができあがる可能性が非常に高いのです。

りぴとん
りぴとん

なんて優秀なんでしょう!

それに対して「無能」と評されてしまう部下は、先ほどの会議資料作成の指示の内容だけでは、一発で上司が満足する成果物を作り出すことはできません。「とりあえず思ったままに作ってみて」しまうからです。

これを防ぐために、指示を出した段階で、要領のいい部下が考えるような4つを「無能」と評されてしまう部下に伝える必要があるのです。

部下ができることを仕事として与える

「無能」と評される部下を成長させる2つ目の方法は、現時点でその部下ができる仕事を任せることです。

今できることを任せることで、部下に自信をつけさせて、ほかの仕事もうまくできるようになることを目的としています。

たとえば、お客さまの対応がうまくできないというタイプの部下だったとして、実際の対応は無理でも、電話の取り次ぐことくらいはできるでしょう。その場合に、取り次ぎだけ徹底的にさせるのです。

お客さま対応に関していえば、取り次ぎをさせることでどんな用件なのかその部下は知ることができますので、電話が終わった後に「●●の内容だったんだけど、どういう対応をしたらよかったかな?」と質問させて考える練習をさせることができます。

りぴとん
りぴとん

その練習が連続10回正解とかであれば、次から試しに対応をさせるというゲーム性を持たせることもでき、楽しんで取り組むことができます!

感謝を伝える

「無能」と評される部下だけに限った話ではないですが、何かしてくれた部下に感謝することで、その部下は間違いなく成長します。

感謝されることで、部下はその「行動」と「行動をした自分」を承認されたと感じるため、より仕事をしようと思ってくれるからです。

「成長させる目的を持って感謝する」となると難しく感じそうですが、何に感謝しても構いません。適当に例を上げてみると、以下のようなものになります。

感謝を伝えるべき部下の行動例
  • 書類を持ってきてくれたこと
  • 報告や連絡、相談をしてくれたこと
  • 依頼した仕事をしてくれたこと
  • 机を拭いてくれたこと
りぴとん
りぴとん

いやもう本当なんでもいいです。

人として何かしてもらったら感謝するのは当たり前ですからね!

特に「無能」と評される部下は自分に自信がなく、通常の仕事もうまくこなせていないこともありますので、積極的に感謝の気持ちを伝えていきましょう。

部下を変えた実例

私が実際に3つの方法を実践して「無能」と評された部下を変えた実例をご紹介します。

元々は別の部署で仕事をしていた人だったのですが、その部署ではなかなか思うように成果を出せず、私の元にやってきたのです。

私の現在の勤務地は仙台なのですが、彼の地元も仙台だったので環境も考慮された形で異動してきました。

りぴとん
りぴとん

決して私が優秀で選ばれたとかそういうわけではありません。ちょっと期待しましたけどね!

彼の前情報は以下のようなものでした。

異動の前に実際に聞いていたその部下の情報
  • すぐにキレてしまう
  • 仕事の納期に遅れてしまうことが多い
  • 嘘をつく
  • 報連相ができない
りぴとん
りぴとん

こうやって今見返すとなかなかですね……。

彼の前情報を聞いて、第一印象はもちろん「大変な人が来るな」だったのですが、最初に彼から直接話を聞いたときに、すべての要素に明確な原因があったことがかりました。

  • キレてしまう原因:イジりがキツすぎた
  • 納期に遅れる原因:仕事の仕方がイマイチ分かっていなかった
  • 嘘をつく原因:追及のプレッシャーが強かった
  • 報連相できない原因:報連相するたびに怒られていた

そこで私は、指示を丁寧に行って仕事の仕方をしっかり教え、まずはできることから任せて自信をつけさせ、報連相の度に感謝の気持ちを伝えるようにしました。

結果として彼は、私の元に来てから2カ月で劇的に変わり、前の部署の人からはその成長ぶりに驚かれたほどでした。

別に彼も自分から望んで「無能」のレッテルを貼られたわけではなかったので、仕事ができるように指導していくことでどんどん自信に満ち溢れていきました。

りぴとん
りぴとん

ぜひ自分の部下にも当てはまる場合は試してみてください!

「無能」な部下が生まれてしまう原因

はっきり言って、「無能」と評される部下が生まれる原因は、その上司自身にあります。

何にも取り柄のない「無能」な人間なんて存在しないからです。その人は今はたまたまボタンの掛け違えか環境かによって、うまく力を出せていないだけです。

何もできない人がどうやって今まで生きてこれたのでしょうか? きっとだれかに頼ったり、今はスポットライトの当たっていない何かがあったりして、今まで生きてきたはずです。

りぴとん
りぴとん

その人ができることや得意なことに上司が気づいていないだけなんです。

その部下の力やできることを引き出して組織として成果を出すのが管理職の仕事です。

それを放棄してただ「あいつは無能で使えない」と評価を下すのは、「自分がその人を育てる能力を有していない」と自分で無能宣言をするのと同じことです。

部下を無能だと判断する前に、まず自分にどんな原因があるのかを振り返り、自分が変わる努力をすることをオススメします。

さいごに

最後に少し厳しいことを記載しましたが、部下をうまく育て、組織として結果を出すのが管理職の最大の仕事です。

ここさえブレていなければ、部下を無能と評価するのではなく、その部下と一緒にどうやったら結果を出せるのかとまず考えることができるはずです。

1人でも多くの管理職、上司が部下に厳しい評価を与えるのではなく、部下が力を出せるように尽力する素敵な人になれたらいいなと私は思っています。

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